パーマ

パーマの原理をやさしく解説|なぜカールが髪に定着するのか

井上晃輔

「パーマって薬剤のニオイがするのは分かるけど、実際どうやってカールがつくんだろう?」そう思ったこと、ありませんか?

実はパーマ、髪の内部にある結合を薬剤でいったんゆるめて、ロッドで新しい形に変えて、もう一度別の薬剤で固定する——というシンプルな2段階の化学反応でできています。仕組みさえ分かってしまえば、「なんで髪質や履歴でかかり方が変わるの?」という疑問もすっと腑に落ちるはずです。

この記事を読むと分かること

  • パーマが髪にかかる仕組み(還元剤・酸化剤の役割)
  • ロッドで形を変えてから薬剤で固定するまでの流れ
  • デジタルパーマとコールドパーマで仕組みがどう違うか
  • 仕組みを知ると分かる「かかりやすさ・かかりにくさ」の理由

パーマは「結合を一度切って、新しい形で固定する」施術

パーマというと、「髪をロッドに巻いて薬剤をつける」というイメージが強いですよね。でも仕組みだけ見れば、れっきとした化学反応なんです。髪の内部にある結合を薬剤でいったんゆるめて、ロッドで巻いた形に変えて、別の薬剤でその形のまま結合を作り直す。これがパーマがかかる基本の流れです。

言ってしまえば、パーマは「巻き癖をつける」んじゃなくて、「髪の内部構造をいったん分解して、新しい形で組み直す」施術。
そう考えると、案外しっくりくるんじゃないでしょうか。

1剤が髪の結合をゆるめる(還元)

髪の主成分はケラチンというタンパク質。その内部には「シスチン結合(S-S結合)」という結合がたくさん詰まっていて、これが髪の形をまっすぐか、くせがあるかを決める土台のひとつになっています。

パーマの1剤(還元剤)には、このシスチン結合を化学的に切る働きがあります。結合が切れると、髪の内部は一時的に「形を変えられる柔らかい状態」に。これが「還元」という反応です。

ただ、ここが大事なところなんですが、結合を切っただけではまだ何も固定されていません。ロッドで巻いた形も、この時点ではまだ「元に戻ろうとする力」が働いたままなんです。

ロッドで形を変えて、第2剤で固定する(酸化)

1剤で結合がゆるんだ状態のまま、髪をロッドに巻いて新しい形【カール】に変えていきます。ロッドの太さや巻き方でカールの大きさやかかり方が変わるのは、まさにこの工程のせいです。

そこに2剤(酸化剤)を塗ると、いったん切れていたシスチン結合が、ロッドで巻いた新しい形のまま再びつながります。これが「酸化」。ここまで来て、ようやくカールが髪の内部構造として定着するわけです。

整理すると、

  • 1剤(還元剤):結合を切って、髪を変形できる状態にする
  • ロッド:新しい形(カール)を作る
  • 2剤(酸化剤):新しい形のまま結合を作り直し、固定する

この3ステップを経て、パーマは「かかった」状態になります。

デジタルパーマとコールドパーマ、仕組みの違い

同じ「還元→変形→酸化」の流れなのに、パーマには種類がありますよね。その違いを生んでいるのが、熱を使うかどうかです。

  • コールドパーマ(通常のパーマ):常温のまま、薬剤の反応だけでカールを作る方法。熱を加えない分、髪への熱ダメージは少なめ。ただしカールはふんわり・やわらかめに出やすい傾向があります。
  • デジタルパーマ:1剤で結合をゆるめたあと、熱(ロッドを温める機器)を加えてカールの形をいったん安定させ、そこから2剤で固定する方法。しっかりしたカールが出やすく、乾かすだけでも形が再現しやすいと言われますが、熱と薬剤の両方が髪にかかるぶん、履歴やダメージの確認はより丁寧に行う必要があります。

どちらが向いているかは、髪質・ダメージ・普段のスタイリング方法次第。一概に「こっちのほうが優れている」とは言えないんです。

仕組みを知ると分かる「かかりやすさ・かかりにくさ」の理由

還元・酸化の仕組みが分かると、「なんで人によってパーマのかかり方が違うの?」という疑問も自然と解けてきます。

  • 髪の強度・ダメージ状態:ダメージが強い髪はもともと結合が減っていたり不安定だったりするので、薬剤への反応が読みにくくなります
  • 過去の施術履歴:縮毛矯正・ブリーチ・カラーなど、過去に別の薬剤で結合をいじったことがある髪は、反応の仕方も変わってきます
  • 髪の太さ・硬さ:太くて硬い髪は結合がゆるむまでに時間がかかりやすく、細くて柔らかい髪はその逆で反応が早く出やすい傾向があります
  • ロッドの太さ・巻き方:同じ薬剤を使っても、ロッドが変わればカールの大きさも変わります

つまりパーマの仕上がりは、薬剤単体で決まるものじゃありません。髪質・履歴・薬剤・ロッド・熱、いくつもの要素が絡み合った結果なんです。「かかりにくかった」「かかりすぎた」というのも、原因がひとつに絞れないことのほうが実は多いんですよね。

美容室でカウンセリングが必要な理由

仕組みが分かると、「なんで美容師は施術前にあれこれ聞いてくるんだろう」の答えも見えてきますよね。還元剤・酸化剤の反応は髪の状態で変わるものなので、事前に分かる情報が多いほど、狙った仕上がりに近づけやすくなるんです。

具体的にお聞きすることが多いのは、こんな内容です。

  • 過去2年ほどのパーマ・縮毛矯正の履歴
  • ブリーチ・ハイライト・カラーの履歴とホームカラーの有無
  • 普段のアイロン使用頻度・温度
  • 過去にかかりすぎ・チリつきが出たことがあるか

こうした情報をもとに、薬剤の種類やロッドの選び方、放置時間を一人ひとりに合わせて調整していきます。

コールドパーマとデジタルパーマの比較表

項目コールドパーマデジタルパーマ
熱の有無使わない(常温)使う(ロッドを加温)
カールの出方ふんわり・やわらかめに出やすいしっかりめのカールが出やすい
乾かすだけでの再現性スタイリング剤や乾かし方の工夫が必要な場合がある比較的再現しやすいと言われる(髪質・履歴による)
髪への負担の傾向熱による負担は少なめ熱と薬剤の両方がかかるため履歴確認がより重要
向いている可能性がある人熱ダメージを抑えたい人、ふんわりした質感が好みの人しっかりしたカールを求める人、朝のセット時間を短くしたい人

※持ち・仕上がりの実感には個人差があります。髪質・履歴・ホームケアによって変わるため、上記は傾向としての目安です。

髪の状態と薬剤反応の関係(判断表)

髪の状態反応の傾向カウンセリングで確認すること
ダメージが少なく健康的な髪薬剤反応が比較的安定しやすい希望するカールの大きさ・強さ
ブリーチ・ハイライト履歴がある髪結合が減っている場合があり、反応が読みにくいブリーチの回数・時期、現在の強度
縮毛矯正・デジタルパーマの履歴がある髪すでに結合が操作されているため反応が変わりやすい前回の施術時期・薬剤の系統(分かる範囲で)
毎日アイロンを使う髪熱ダメージが蓄積している場合があるアイロンの温度・頻度、乾かし方
過去にかかりすぎ・チリつきが出たことがある髪薬剤や放置時間の見直しが必要な場合がある具体的にどう感じたか(強すぎた・乾燥した等)

FAQ(6問)

Q1. パーマはどうやってカールがつくんですか? 
A. 1剤(還元剤)で髪の内部の結合をゆるめて、ロッドで形を変えたあと、2剤(酸化剤)でその形のまま結合を固定する。この「還元→変形→酸化」の流れでカールが定着していきます。

Q2. デジタルパーマとコールドパーマ、仕組みはどう違いますか? 
A. 還元・酸化の流れ自体はどちらも同じ。違うのは、デジタルパーマは途中で熱を加えてカールの形を安定させるところです。熱を使う分しっかりしたカールが出やすいと言われますが、向き不向きは髪質や履歴によって変わってきます。

Q3. パーマがかかりにくい・かかりすぎるのはなぜですか? 
A. 髪の太さ・硬さ、過去の施術履歴、ダメージの状態など、いくつもの要因が重なって薬剤の反応が変わるからです。原因がどれか一つだけ、とは限らないんですよね。

Q4. 縮毛矯正やブリーチをしていてもパーマはかけられますか? 
A. 髪の状態や履歴によって、判断は変わってきます。すでに結合が操作されている髪は反応も変わりやすいので、履歴を確認したうえで薬剤や施術範囲を検討していきます。

Q5. パーマの仕組みを知っておくメリットはありますか?
 A. カウンセリングで何を伝えればいいか、分かりやすくなるのが一番のメリットです。髪質や履歴を具体的に教えてもらえると、狙った仕上がりにもぐっと近づけやすくなります。

Q6. パーマ後、どのくらいで結合は安定しますか? 
A. 2剤処理の直後から結合の再形成は進んでいきますが、完全に安定するまでの体感的な目安は髪質・薬剤によって個人差があります。施術当日は、強い摩擦や熱をなるべく避けていただくのがおすすめです。

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井上 晃輔
井上 晃輔
AFLOAT D'L 表参道の井上晃輔です。 仕事や家事で忙しくても、いつもきれいでいたい大人女性のために、毎朝さっと決まって扱いやすさが続くショート・ボブ・ミディアムレイヤーをご提案しています。クセ・広がり・ボリューム・白髪などのお悩みには、「地毛みたいに自然」と言っていただくことの多い縮毛矯正で、無理なくまとまる髪へ。 カウンセリングでは、普段の生活リズムやスタイリングに使える時間、好きな雰囲気を丁寧にお伺いし、一人ひとりに合ったスタイルとお手入れ方法を一緒に考えます。 「今の髪をどうしたらいいか分からない…」という方も大歓迎です。まずはカウンセリングだけでも、お気軽にご相談ください。
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