そもそも髪って何でできてるの?

ヘアケア ヘアダメージ

こんにちは!表参道で美容師をしています、井上晃輔です。(http://www.threads.net/@kousuke.i_52 )

縮毛矯正やくせ毛でお悩みの方や30〜50代の大人女性のお客様を多く担当しています。

大人っぽいスタイルにしたい方や、髪質にお悩みのある方はお気軽にご相談ください。

今回は髪の成分についてです。

髪の毛って何で出来ているか知っていますか?

構造や仕組みについてはこちらで解説しました。まだの方はご覧ください。

毛髪成分の構成について

まずは、髪の毛の成分構成についてです。

髪の毛のほとんどがタンパク質(ケラチンタンパク質と非ケラチンタンパク質)でできていて

残りがCMC、水分、メラニン色素、NMF(天然保湿因子)などですね。

毛髪成分と役割

各成分の役割はこんな感じでーす。

髪の毛のほとんどは(8割くらい)はタンパク質!

ケラチンたんぱく質と非ケラチンタンパク質

髪の毛のほとんどがタンパク質で出来ていることがわかりましたね。

では、タンパク質は何で出来ているでしょうか?

タンパク質は性質の異なるアミノ酸が70個以上繋がったものです。

そしてこのアミノ酸は全部で18種類ありシスチンを含むものをケラチンタンパク質、含まないものを非ケラチンタンパク質と言います。

ケラチンタンパク質とは?

アミノ酸が70個以上繋がったもので、この70個の中に一つでも(シスチン)を含んでいるもの。

キューティクル、コルテックス、CMCにも存在していますね。

覚えなくても大丈夫です

アミノ酸の分子記号はこんな感じ

Rに入る元素は全部で18種類あり、どの元素でもアミノ酸であることには変わりない

R=アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、シスチン、メチオニン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸

そして

このアミノ酸が複数結合したものがポリペプチド(PPT)

こんな感じですん

そしてそして

このポリペプチド達が結合したのがタンパク質になります。

タンパク質はアミノ酸の集まりってことですね!

主鎖と側鎖

ここまで説明してきたアミノ酸は縦方向への繋がりと横方向の繋がりがあります。

そして結合の種類が4つあり

縦方向には、ペプチド結合

横方向には、シスチン結合、水素結合、イオン結合

があり髪の毛は繋がっているわけですねー。

・ペプチド結合(CO-NH結合)…主鎖の結合

 アルカリ性過酸化水素、強酸、強アルカリで切断する

・シスチン結合(S-S結合)…側鎖の結合

 パーマの1剤で切断され、2剤で再結合する

・水素結合(C=O-HN結合)…側鎖の結合

 水により切断され、乾燥させると再結合する。寝癖が水によって直るのは、水素結合のため。

・イオン結合(NH3 OOC結合)…側鎖の結合

 等電点をはずれると切断され、等電点に戻すと再結合する。等電点のとき結合が最も強い。アルカリで髪が膨潤するのは、このイオン結合が切れるため。

毛髪の等電点

髪の等電点ってなんぞや?って感じだと思いますが、これは髪の中のタンパク質の結合が安定するpHの値のことです。

等電点はpH4.5〜5.5あたり。

髪はいろんなアミノ酸の集合体なので平均してこのくらいかなーって感じです。

このpHからズレると髪が不安定な状態になるので、ダメージを受けやすくなったり質感の低下につながります。

収斂

髪の毛は等電点より酸性に振れることで収斂します。収斂すると

・キューティクルが閉じる

・引き締まって弾力が出る

といったことはおきます。例を挙げると

・ドライ(乾燥)

・トリートメント(酸)

・酸リンス(酸)

などが挙げられますね。収斂しすぎると「過収斂」といい髪が引き締まり過ぎてゴワつきます。

「温泉に行ったら髪の毛がゴワついた」なんて話をお客様から聞いたりすることもあります。その時は草津温泉に行かれたみたいですが、草津温泉って源泉は酸性らしいですね。つまり酸による収斂が起きて髪がゴワゴワしてしまうということになります。

そういう時は逆に髪の毛を膨潤させてあげたほうがいいので、アルギニンを3%くらいに薄めた水を軽くスプレイヤーなどでつけてあげるといいです。そのあと普通にシャンプーしてトリートメントですね。

膨潤

逆に膨潤とは髪の毛は等電点よりアルカリ性に振れることです。膨潤すると髪の毛は

・キューティクルが開く

・柔らかくなり弾力がなくなる

といった反応が起こります。

例を挙げるとすると、

・髪を濡らす

・石鹸(アルカリ)

・パーマ(アルカリ)

・カラー(アルカリ)

などです。アルカリは髪に悪い!なんて言われたりもしますが、美容の施術は大体アルカリ性です。程よく適正に使っていたら大丈夫かなと思います。

ちなみに先ほど説明した酸による過収斂によってごわつく場合と違い

海外に行って髪がガシガシになったなんて方は、硬水が関係しています。海外の水にミネラル分が多く含まれているため、髪に付着すると硬くなってしまうんですね。

ミネラル汚れはキレート作用のある成分が効果的でして、どこにでもあるやつだとクエン酸とかいいかなと思います。クエン酸水を作ってスプレーするとミネラルが落ちやすいですよ。

その他の成分

毛髪成分についてたんぱく質を中心に説明してきましたがそれ以外の成分について、紹介していきます。

水分

毛髪は通常の乾燥した状態で12%程度の水分を含んでます。その中には「結合水」と「自由水」があり、ミイラになっても髪の毛は残っているのはこの結合水のおかげですね。

少し特殊な水なんです。

湿度の影響を受ける自由水と、髪を濡らしたときに髪が吸い込む吸着水があります。

ダメージを受けるとパサつきやすくなるのはこの12%の水分が少し減るからですね。(水分だけではない)

ダメージが気になる方は、保湿、保水大事です。

CMC

細胞膜複合体なんて難しい言い方をすることもありますが、簡単にいうと髪の細胞に接着剤や薬剤などの通り道の役割を担っています。

キューティクル間やコルテックス間にありまして

・キューティクル同士やコルテックス同士を繋いだり

・外からの刺激から髪の毛を守ったり

・毛髪成分の流出を防ぎ水分を保持する

なんてことをしてくれてます。

メラニン色素

美容の大敵!紫外線!!

紫外線を浴びると日焼けしてシミになる!やだ!!

そうこのシミのやつです、メラニン色素。

皮膚や髪の毛に含まれていて髪の色を決めています。

メラニン色素には、ユーメラニン(黒褐色系)とフェオメラニン(黄赤色系)があります。ユーメラニンが多くメラニンの総量が多いのが黒髪。メラニンの総量が少ないのがブロンド。そして、いずれのメラニンをもほとんど含まないのが白髪です。

日本人(アジア人)は、ユーメラニンが多いので黒髪なんですね。

NMF

天然保湿因子(natural moisturizing factor)と言いまして

コルテックス内のマクロフィブリル間に存在して、髪の水分量を一定に保つ働きをします。

NMFには細胞内の水分を抱え込み、長時間保持するはたらきがあります。

またNMFは水と結合しやすく、水分を保持するだけでなく、周囲にも水を集めます。NMFによって、肌は角質の細胞すみずみまで水分を行き渡らせ、しっとりとした柔らかな質感を保ちます。

今回は髪って何で出来ているか解説しました。

へー髪の毛って色々あるんだなあと思ってくれたらありがたいです。

ではまた!

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